STD(性感染症)や子宮の病気は不妊の原因となります

膣や肛門、口の周囲の赤い水ぶくれ!性器ヘルペスはキスでも感染します

カップル間のピンポン感染が起きやすい

ピリピリした痛みを感じた後に、膣や肛門、唇の周辺に小さな水ぶくれがたくさんできるー。このように皮膚表面の水ぶくれやただれに痛みを伴うのが、単純ヘルペスの代表的な症状です。単純ヘルペスウイルス(HSV)は、一度でも感染すると死滅することはなく、症状が治まった後も神経節に潜伏し、免疫力の低下をきっかけに再活性して、再び不快な症状を引き起こします。

単純ヘルペスウイルスは、皮膚表面の水ぶくれの中、口腔内や陰部の粘膜の中でも増殖する、感染力が強いウイルスです。皮膚にできた水ぶくれやただれた部分に手指で触れるとウイルスに感染するリスクがあります。また感染者が使用した食器やタオルなどを家族が共有しているだけででも、感染の可能性はあります。

しかし、ウイルスの付いたマグカップやバスタオルに触れても、皮膚が健康な状態にあれば、バリア機能が働いてウイルスに感染することはありません。問題はウイルスに触れた人がアトピー性皮膚炎だったり、傷や湿疹などで皮膚が荒れていると、バリア機能が損なわれるので、ウイルスに感染してしまうリスクが高まります。

また、口腔内や陰部の粘膜に存在しているウイルスの場合、例え口の中や性器にキズがない状態だったとしても、粘膜同士の接触で簡単に感染します。つまり口唇ヘルペスの人とキスをしたり、性器ヘルペスの人とセックスをするなど、双方の粘膜を直接接触させる行為を行うことで、感染リスクは上昇します。

厄介なのは、単純ヘルペスウイルスに初感染した後の1年間は無症状のまま再発をすることがあり、本人が再発の自覚のないまま感染源となり、パートナーなどにウイルスを感染させてしまっているケースも少なくありません。

妊婦さんの単純ヘルペスウイルス(HSV)が胎児や新生児に及ぼす影響は?

赤ちゃんへの感染は後遺症のリスク

妊婦さんの場合、ご自身の単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染が胎児や新生児に与える影響が心配になるかと思います。ウイルスが妊婦さんの神経節に潜伏しているだけの状態では、胎児や新生児にウイルスが感染する恐れはありませんが、妊婦さんがヘルペスを発症している場合には感染のリスクが出てきます。

胎児・新生児への単純ヘルペスウイルスの感染ルートとしては、胎内感染、出産時の産道感染、出産後の水平感染(食べ物の口移し、キス、頬ずり)があります。このなかで最も多いのが、産道感染の85%、次いで胎内感染の5%となっています。

産道感染とは、赤ちゃんが産道を通って生まれてくるときに、母親の単純ヘルペスウイルスに感染するもので、脳などに重篤な障害を起こす危険性があります。そのため、出産間近になって妊婦さんがウイルスに感染したり、ヘルペスを再発した場合は、赤ちゃんへの感染防止の観点から帝王切開などの処置がとられます。一方、胎内で胎児が単純ヘルペスウイルスに感染してしまうと、髄膜炎を起こしたり、重篤な登園で最悪の場合、命を落とす危険性があります。

現在は妊娠していないものの、性器ヘルペスを発症することで将来の妊娠への悪影響(=不妊症)を心配する女性も少なくありません。しかし、症状が重症化しやすい初感染の場合を除き、性器ヘルペスが妊娠に影響することはありません。ただし、再発予防の目的で抗ウイルス剤を服用している方は、薬の服用時期と妊娠について主治医によく相談しましょう。