STD(性感染症)や子宮の病気は不妊の原因となります

尖圭コンジローマや子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)

ヒトパピローマウイルスの拡大図

別名「ヒト乳頭腫ウイルス」とも呼ばれるヒトパピローマウイルス(HPV)は、遺伝子型で90種類に分類され、その型ごとに特徴的な腫瘍を形成します。

例えば、1型、2型、4型はイボ、6型と11型は性器や肛門の周囲にカリフラワー状のイボを形成する尖圭コンジローマ、16型と18型、31型は若い女性に増加している子宮頸がんの原因になることが知られています。

ヒトパピローマウイルスはセックスを通じて簡単に感染するため、セックスの経験がある女性の80%は生涯に一度は感染するとされていますが、ほとんどは体の免疫によって自然排除されます。

イボや尖圭コンジローマは、液体窒素で壊死させたり、外用薬でウイルスが周囲に移らないようにしながら、取り除くことで治療が可能です。低年齢化が問題となる尖圭コンジローマは、治療の際に傷跡が残ることも少なくありませんでしたが、イミキモド(ベセルナクリーム)の登場により簡単に治療ができるようになりました。

イミキモドでイボが消失しても、周囲にウイルスが残存していることがあるため、尖圭コンジローマは再発することも少なくありません。コンドームで覆うことができない肛門や男性の陰嚢などにも発症するため、パートナーに映りやすいのも厄介な点です。

若い女性では乳がんに次いで罹患数が多い子宮頸がんは、定期的に子宮頸がん検診(20歳以上が対象)を受けることが大切です。セックスの経験がある女性ならば誰でもヒトパピローマウイルスの感染機会はあるので、油断は禁物です。子宮頸がんは、予防が可能な数少ないがんで、サーバリックス、ガーダシルいう予防ワクチンが国内でも承認されています。

サーバリックスは子宮頸がんの原因となる16型と18型の感染を予防し、ガーダシルはこれらの型に加えて、尖圭コンジローマの原因となる6型と11型への感染も予防します。しかし、記憶障害、麻痺、神経痛などワクチンの副反応と思われる重篤な症状が報告されたことから、国による積極的な接種の勧奨は中止されています(2016年2月現在)。