STD(性感染症)や子宮の病気は不妊の原因となります

STD(性感染症)としてのB型肝炎ウイルスの感染に注意

Hbワクチンで感染を予防

母子感染や医療従事者の針事故などによるB型肝炎ウイルスの感染は激減していますが、代わりに台頭してきたのが、性行為による感染です。血液や体液に存在するB型肝炎ウイルスは粘膜を通じて体内へと侵入することができますが、この点はエイズの原因となるヒト免疫不全ウイルス(HIV)と似ています。

HIVと大きく違うのは、B型肝炎ウイルスにはワクチンが存在するので、自分が感染者とわかっていれば、パートナーにHBワクチン接種を受けてもらえば感染を予防できるという点です。HBワクチンが存在しなかった頃は、B型肝炎ウイルスのキャリアであることが原因で婚約が破棄された事例もあったとされますが、現在ではパートナーや子供への感染は防ぐことができます。

近年問題となっているのは、同性愛者間においてB型肝炎ウイルスの急性感染が増えていることです。同性愛者間のB型肝炎ウイルスは慢性化しやすい「ジェノアタイプA」という遺伝子型が多いこと、そしてHIVにも感染してることがあるという点も大きな特徴です。

このような場合、B型肝炎の治療だけに専念していると、HIVが薬剤耐性を獲得してしまい、その後のHIVに対する治療が効果を示さないことがあります。同性愛者間の性行為による急性B型肝炎が疑われる場合には、HIVの検査も実施する必要があります。

母子感染のルートはほとんど心配なくなりました

一昔前のB型肝炎の感染ルートと言えば、出産時にウイルスに感染している母親の血液が新生児の目や口に入ったり、産道通過時にできた傷からウイルスが入る「母子感染」でした。

しかし、抗HBsヒト免疫グロブリン(HBIG:B型肝炎ウイルスに対する抗体)とB型肝炎ワクチン(HBワクチン)を赤ちゃんに注射する「B型肝炎母子感染防止事業」が施行された現在は、母子感染のリスクは激減しました。

しかし、母子感染が完全になくなったわけではありません。母親が、赤ちゃんを注射に連れていくのを怠った場合や、出産前に子宮内で感染が起こってしまう場合もあるからです。通常、母親と胎児の血液は混じらないのですが、胎盤に傷が生じた場合に、血液が混じって感染が起きてしまう可能性があるのです。

医療従事者の針刺し事故による感染はワクチンで予防

3回の接種が必要です

医師や看護師、臨床検査技師などの医療従事者が、B型肝炎ウイルスキャリアの患者の採血や注射に使用した針を誤って刺してしまい、ウイルスに感染する事例がかつては多く報告されていました。特に容体が急変した患者さんに急いで処置を行う必要がある時などに、新米の研修医は針を刺してしまうことが多かったと言われています。

しかし、現在は医療従事者へのHBワクチンの接種が医療機関によって徹底されていますので、針差し事故によるB型肝炎ウイルスの感染はほとんどなくなりました。一度HBワクチンを接種してHBs抗体が獲得できれば、生涯にわたって感染するリスクはありません。

またパートナー(彼氏、彼女、婚約者など)がB型肝炎ウイルスに感染している場合でも、ワクチンを接種すればセックスをはじめとして普通のパートナーと同じように生活ができます。約半年間で3回の接種で予防効果が期待できます。既にウイルスに対して免疫を持っている場合もあるので、ワクチンを打つまえに検査をしてもらいましょう。